News 新たな基準を設定するドイツ初の電気自動車工場
自動車業界においては、多くのことが水面下で密かに行われており、e モビリティーに向けたメーカーの再編も含まれておりますが、ドイツのアンゲラ・メルケル首相ご自身が、新しいフォルクスワーゲンID.3モデルの生産決定を出しており、すでにオープンになっています。これは2019年の秋に、全自動車産業中でおそらく最も意欲的なプロジェクトのための生産ラインがドイツのザクセン州のツビッカウでの町でスタートしました。
ID.3モデル は単なる新型モデルではなく、フォルクスワーゲンの未来を具現化し、そして新たな時代を切り拓くための新しい電気自動者です。またフォルクスワーゲンは、世界をリードする電気自動車メーカになるという目標を掲げています。そして、フォルクスワーゲンは 12 億ユーロを投資し、ツビッカウの生産工場を欧州最大の電気自動車工場の本拠地にしたいと考えます。2021 年には、こ33万台以上の電気自動車が生産される予定です。
あらゆる車種のためのプラットフォーム
これまで同社の電気自動車の販売は低迷しており、モデルID.3 は、3万 ユーロ以下の魅力的な価格、急速充電機能、さらに最大航続距離550 km などを武器に、この状況を変えようとしています。フォルクスワーゲン乗用車ブランドの取締役のユルゲン・スタックマン(Jürgen Stackmann)氏はこう約束しています。「外装は Golf のサイズで、社内はPassatの広さ に匹敵し、加速性能は GTI 級。」と断言しています。どうやら、この顧客からも評価されており、すでに 3万7千台を超える事前予約があり、今年の夏から順次納車されることになっています。
IDモデルの初モデルであるID.3 は、ゼロエミッションフリー世代の車両の基礎と形成しています。モジュ-ラー電動ドライブマトリクス(略称:MEB)が、小型車両からバスまで必要となるス拡張性を提供します。これは、2022 年までに 同社グループ4 ブランドの 27モデルに搭載される予定です。また、プロトタイプ「ID.R Pikes Peak」により、上限がないことも確認しています。
2018 年 6 月 24 日に米国で開催された山岳レースでは、680馬力 の電動四輪駆動を搭載したこのスーパーカーは、このモータースポーツの歴史にその名を刻み、伝説のラリードライバーであるセバスチャン・ローブ(Sebastien Loeb)氏のそれまでの記録を大きく塗り替えました。このスーパースポーツカーは、レーストラックの夢に留まるかもしれませんが、フォルクスワーゲンの電動ドライブトレインにどのようなことが可能なのかを実証するものです。
76 秒のサイクルタイム
カーティ・ランガー(Kati Langer)氏は、第 12 工場に立って、2 台の Kuka 社製ロボットのある生産セルに組み込まれた Xpert 40 をチェックしています。Bystronic の情熱あふれる営業であるカーティは、フォルクスワーゲンの ID.3 プロジェクトに最初から携わっていて、このシステムをとても誇らしく思っています。作動中の 2 台の曲げ加工ロボットを見ながら彼女は、「フォルクスワーゲンのワークフローにベンディングシステムをシームレスに統合するために、いくつかの構造上の課題を解決する必要がありました。」と話してくれました。
1代目のロボットは、部品をコンテナステーションからパーツを取り出して、センタリングシステムに置きます。 2台目のロボットは、それをすばやくプレスブレーキへ搬送し、2段階あるうちの最初の曲げ加工を行います。それから部品は再びセンタリングシステムに置かれ、1代目のロボットが残りの曲げ工程を実行します。続いて非固定装置が2 つのボールナットが溶接します。その後、グリッパーアームが部品をピックアップして、搬送コンベアへ乗せます。
この一連の作業に、ちょうど 76 秒かかります。ロボットが曲げ加工シーケンスを完了する様子を見ることは、本当に楽しいものです。自分の目で確認しなければ、2台のロボットが手をつないで、いや、グリッパーとグリッパーが手をつないで、いかにエレガントで軽快に動作しているかは信じられないでしょう。その後、曲げられた部品は、足回りを安定させるシャーシの支持構造に取り付けられます。2台目の全自動ベンディングセルでは、車のシャーシの前部に取り付けられる部品を製造します